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【ホラー漫画が好き】背筋がじっとり冷たくなる!怖〜いマンガ7選+おまけ2選

 

【目次】

 

 

ジメジメした梅雨時こそホラー漫画を楽しみたい。

こんにちは。小学生の頃からアラサーの現在まで、絶賛ホラー漫画にハマっているミロです。

今回は私が怖っ!おもしろ!!と思った漫画を7つご紹介します。

痛そう、無駄に出血する、残虐描写が売りなどの要素がある漫画は私的にはホラーではないので、ここではランクインしていません。

(例:猟奇ゲームに巻き込まれる系、謎の生物によって人類が蹂躙される系・田舎の村でロリ顔の少女たちが凶器を振り回す系など)

 

第7位 神の子供 西岡兄妹

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【雑なあらすじ】

便所で(トイレではなく便所という形容がしっくりくる場所で)産み落とされたある少年。小動物の殺傷から始まり、クラスメイトを複数人殺してサイコなデコレーションを施し、自分の宗教を作り、両親を「ハピバスディ」とか言いながら殺します。連続殺人鬼の生涯を彼自身の目線から捉えた、衝撃の問題作。

 

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 とりあえず絵がすごいよね。

絵だけ見ているとホラーっぽくないのにも関わらず、そこはかとなく漂う不気味さ。

「いつもの可愛い絵柄は封印して、今回はホラーテイストにしてみましたっ☆♡」

みたいな感じが微塵も感じられない絵です。

この作者さんは通常運転でこの絵柄。

 

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▲この漫画の変態性がこの絵一枚でストレートに伝わる!靴下は履いたままなんだね。

 

特にクラスメイトの死体を晒し者にするシーンが強烈です。状況だけ見るとすっごい怖いんですけど、じわじわ可笑しさもこみ上げてくるのが不思議。

主人公のサイコ殺人鬼は最後の方はもうわけわからんくなってきて、無差別地味殺人を繰り広げたりします。

ちなみに無差別地味殺人というのは

人混みで

目立たぬ人を

刺殺する

(五・七・五)

 

という実際にありそうな殺害方法で今私が命名したんですけど、まあそんな感じでたぶん100件ぐらいの殺人を犯したところで、最後は自分が作った宗教の若手たちにリンチされ、豚の餌にされて死亡します。

ちなみに主人公の初体験は、変態に殺された女性教諭との死姦でした。

おぞましい脱童貞劇が序盤で繰り広げられるので、そこで読み進められるか否かを判断しても良いかもしれません。

こんな無茶苦茶な内容ですが抽象的な絵柄のためあまり悲惨さを感じないです。

 

▼30分ぐらいでサクッと読めるのでオススメ。 

神の子供

神の子供

 

 

  

第6位 りんたとさじ オガツカヅオ

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怖くて次のページがめくれない。ホラー漫画を読んでいて、そんな経験をしたことはありませんか?

私はこの漫画で経験しました。めちゃくちゃ怖い漫画です。

 表紙からは想像できませんが、ヘタウマ系の絵とつかみどころのない内容があいまってものすごい極怖作用を引き起こしています。

オムニバス式なのも読みやすい。特に怖いのが第一話。

 

【第一話の雑なあらすじ】

恋人の”りんた”とともに、彼の先輩の家にカレーを食べに来た”さじ”こと佐藤ジュンコ。

先輩の奥さんは今買い物に行っていて不在だという。奥さんが帰るのを待つ間、思い出話がはずむ先輩。ところが話が進んでいくうちに、

奥さんは本当に存在しているの?

先輩は正常なのか?

さっきからこたつに入っているのは誰?

 という疑問が漫画全体から溢れてきます。

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ちなみに先輩の奥さんはバラバラになって冷蔵庫に収納されているわけではありませんのでご安心を。

ストーリーの意外性も評価したい漫画です。

 

▼心霊ホラーと人間の狂気ホラーが気づかぬうちに交差している、恐ろしい一冊です。 

眠れぬ夜の奇妙な話コミックス りんたとさじ (ソノラマコミックス 眠れぬ夜の奇妙な話コミックス)

眠れぬ夜の奇妙な話コミックス りんたとさじ (ソノラマコミックス 眠れぬ夜の奇妙な話コミックス)

 

 

 

第5位 不成仏霊童女 花輪和一

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 ホラー界の受刑者、花輪和一先生のおどろおどろしい一冊。

怨霊や霊、怪異はあくまで結果として少し登場する程度。この本の主軸は、地獄での責め苦や罪への応報、それに至るまでの因果です。

 

【以下は雑なあらすじ】

 死んで成仏に失敗した少女が霊体となってこの世を漂い、様々な事件に遭遇する。しかし当の本人は「私は死んでませんよ!」とめっちゃポジティブ。

 

▼私的には以下の話あたりから作者のエンジンが全開になっているのを感じました。

・己の快楽のために殺人を犯した青年の、地獄での責め苦。

・死刑反対を主張する女性に起きた恐ろしい出来事。

・共依存の祖母の言いなりと化し、何の罪もない子どもを殺した男の末路。

 

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かなり酷い内容だしちょっと吐きそうになるかもしれません。スカトロ系いける人は楽に読めるかも。(いけない人のほうが多いと思いますが)

さらに物語に関係ないあとがきがめちゃくちゃ長くて電波です。

こういう作者さん(褒め言葉です)でなければ描けない漫画なのかも。

 

▼作者が実の母親を嫌っているのはわかった。

不成仏霊童女 (ホラーMコミック文庫)

不成仏霊童女 (ホラーMコミック文庫)

 

 

 

第4位 赤異本・白異本 原作/外薗昌也 絵/高港基資

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絵が異常に怖い漫画です。何というか、拒絶反応が出る絵ですよね。

先に紹介した「神の子供」は妙にコミカルな絵柄なのに対し、こちらの絵は呪われそうな雰囲気を醸し出している。

登場人物の顔芸だけで乗り切ろうとしている感も否めなくはない。

 

各話オムニバス形式で読みやすいです。先ほど絵がヤバイ的な事を書きましたが、ストーリーもだいぶ不気味に作り込んであり、真剣に読むと気持ち悪くなってくるかもしれません。流し読みがオススメ。

私的には「死んでいる人間」と「黒い数珠」がダメだった。

もう本当にダメ。

 

【以下にあらすじをざっとご紹介します。】

 

「死んでいる人間」(赤異本より)

一人の人間が壊れていく有様がじわじわ描かれています。多くの命が亡くなった事故の責任、家族の崩壊。母と弟が死に、残された父親は暴力と性のはけ口を娘に求め・・。

生きているのに死んでいる人間とはどういう事なのか?

被害者の女性の顔が最初の方と後で全くの別人になってるところもかなり怖い。

 

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このサイトで無料で公開しているので、お時間のある方は是非!

osoroshiya.com

 

 「黒い数珠」(白異本より)

金持ちの馬鹿娘がひき逃げや何やで人の命をぽんぽん奪っていくにも関わらず、黒い数珠によって守られている。誰だよこんな数珠作ったの。

有名な霊能力者のお手製らしいです。お値段は「引くぐらい高い」(登場人物のセリフ引用)。数珠が怨念の負荷に耐えきれず弾けた時でさえ、巻き込まれるのは何の関係もない人ばかりなので胸糞。

口と肛門から臓器が飛び出るってどんな交通事故だよ・・。

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▼こちらのサイトで漫画が無料公開しています。

osoroshiya.com

 ▼こちらはキンドル版。実話が元になっているらしいですが、真に実話でない事を祈ります。 持っているだけで精神的な闇を疑われそうな表紙にも注目。

赤異本

赤異本

 
白異本 (ニチブンコミックス)

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第3位 人造人間の怪 呪みちる

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いいね!!もう本当に好き。呪みちる先生の漫画は、綺麗で不気味で大好きです。たまに極端なエロに走ってわけわからん感じになるんですが、オチに向けてちゃんと持ち直すので大丈夫。

個人的に呪みちる先生の絵と伊藤潤二先生の絵は女の子が可愛くて好きです。しかし伊藤先生の漫画は比較的安心して読めるのに対して、呪先生の漫画は本当にひどい方向へ行くので油断ならない。

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左:呪みちる「復讐の人面疽」より 右:伊藤潤二「ある集団」より

 

【人造人間の怪:以下は雑なあらすじ】

 ある天才少女と出会った女性教諭。少女とともに人造人間を作ることになるが、やっと完成した人造人間「玉男」は人を無差別に殺し始める・・。

特に必要なさそうな部分でチ⚪︎コが出てきたりするんですが、これがまさかのオチにつながってます。オチこれか〜いて読みながらツッコんでしまった。

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▲人造人間の名前が「玉男(たまお)」っていうのも地味にツボります。

 

各話オムニバス形式で読みやすい。この作者さんは要所要所でチ○コを描く癖があるようなので、ホラー漫画に性的なメッセージを持たせたい、みたいな意図があるのかな?(すいませんたぶん考えすぎです)

 

▼下記のサイトで呪みちる先生の漫画が無料でたくさん読めます。上で紹介した「復讐の人面疽」も読めるよ!

osoroshiya.com

▼伊藤潤二先生の漫画も無料で置いてある。上でご紹介した美少女・富江が出てくる「ある集団」も無料で読めます。(前編と後編に分かれているけど同じサイト内で後編も読めます。)

osoroshiya.com

  ▼こちらはアマゾン。イラストのおしゃれな色遣いも大好き。

人造人間の怪 呪みちる初期傑作選I (第2刷)

人造人間の怪 呪みちる初期傑作選I (第2刷)

 

 

 

第2位 死と彼女とぼく 川口まどか

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泣けるホラーです。霊とか怨霊もたくさん出てくるんですけど、読んでいて胸が締め付けられるというか、切ない気持ちになります。遠藤淑子さんの漫画が好きな方はハマるはず!

 

【以下は雑なあらすじ】

霊が視える少女・ゆかりと、同じく霊を身近な存在として育った少年・松実。運命の出会いを果たした二人が迷い、怯えながらも、強く成長していく姿を描いたホラーです。花の国から来た殺戮の死者ことチューリップ王子の話がすごく切ない。

 

▼良い漫画なんですがこの人たちいきなりイチャイチャし出すので要注意。

(画像がなかったので別の単行本”死と彼女とぼく・めぐる ”より)

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  ▼チューリップ王子の話は文庫版2巻で出てきます。

死と彼女とぼく(2) (Kissコミックス)

死と彼女とぼく(2) (Kissコミックス)

 

 

 

第1位 犬神博士 丸尾末広

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 もう、この漫画何なの!?しばらく呼吸するのを忘れるほど面白いホラー漫画です。ストーリーは1話完結の式神対決がメインなんですけど、最後の方で話がつながってくる。

タイトルのとおり、主人公は犬神博士。彼の式神はその名も式王子。めちゃくちゃ怖かっこいいビジュアルです。式王子は基本無双なので安心して読めますが、たまに召喚が間に合わなくて死者が出たりする。

キラキラ系おしゃれ式神バトルは皆無の漫画です。

※以下は私の想像するキラキラ系おしゃれ式神バトル(犬神博士とは一切関係ないです)

やたらイケメンの式神(人間と鬼のハーフ)と人間の可愛い女の子がひょんなことから式神契約することになる。宿敵である”地上を地獄に変えたい鬼”とバトルするが、実は二人は母違いの兄弟。さらに人間の少女と式神の間にいつしか淡い恋心が生まれ・・。

とかそんなんはナシです。

▼人間の少女と恋するとかそんなんは無し。

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犬神博士の敵は猿っぽい化け物とか、だるま顔のおっさん式神とか、こじらせた高齢処女(しかもブラコン)とか、下半身がいろんな意味でケモノの悪魔崇拝者とかですからね。

濃いよね、メンバーが。

この人たち相手に戦うのがヒーローの式王子と彼を操る犬神博士ですが、犬神博士に至っては五十代ぐらいのおじさん、式王子ですら顔は般若だからね。キラキラさせる気なし。

昭和レトロな時代背景もこの漫画の魅力に拍車をかけています。おしゃれなようで汚い、文明開化しているようで、ならず者や浮浪者や野良犬が街にうじゃうじゃいる、そういう混沌とした雰囲気の中で、式神を操る人間の欲や野望がドロドロ渦捲いている作品です。

 

▼食傷気味にならないのは、素晴らしい画力と繊細な線画によるものが大きい。

犬神博士

犬神博士

 

 

 

おまけその1 デジモータル 二瓶勉

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私的にこの漫画もランクインさせたかったのですが、ホラーではなくダークファンタジーの部類なので今回はランク外です。

 

【以下は雑なあらすじ】

デジモータルという暗殺者が、恐怖政治を敷いている支配者とその組織、お抱えのサイコ側近を殺害していきます。デジモータルが普通に強すぎて勝負は一瞬。さんざんやばそうな雰囲気を出していたサイコ側近の双子姉妹ですら瞬殺です。

暗すぎる画面がさらにクール。

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 ▼「デジモータル」はアバラ(下)に収録されています。

ABARA (上) (ヤングジャンプコミックス)

ABARA (上) (ヤングジャンプコミックス)

 
ABARA (下) (ヤングジャンプコミックス)

ABARA (下) (ヤングジャンプコミックス)

 

 

 

おまけその2 黒 奥浩哉

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奥博之先生の漫画は初期が好きでした。映画っぽい暗さのある漫画です。

こちらもダークアクション/ファンタジーの部類だと思っています。各話オムニバスなので色々詰め込まれていて楽しい。ゾンビものもあるよ。

 

 【以下は雑なあらすじ】

前世殺人鬼だった主人公が、今世では普通のおっさんとして人生を歩んでいた。しかし彼の一家が強盗殺人にあったことをきっかけに一度死亡し、バケモノとして覚醒。神から与えられた覚醒の理由は「前世で殺した300人分の命を救うこと」。

 

同じコミックスに収録されている"缶"も良かったですね。

命がけで缶蹴りするやつ。鬼に捕まったら殺されてゾンビとして再生。なぜか関西弁になります

 

▼奥浩哉先生の漫画は主人公がやたら酷い扱いを受けるパターンが多いよね。

奥浩哉短編集 黒 2 (奥浩哉短編集) (ヤングジャンプコミックス)

奥浩哉短編集 黒 2 (奥浩哉短編集) (ヤングジャンプコミックス)