ジャパニマフランス

フランス暮らしコミックエッセイと映画レビューがせめぎあっている

コインロッカー・ベイビーズ ネタバレ感想

最近読んだ本『コインロッカー・ベイビーズ』の感想を淡々と書いていきます。

ヒューマン映画にカテゴライズしてしまいましたが、本ですすいません。

 

f:id:mi_ro:20180612230024p:plain

 

普通にネタバレしてるので未読の方は先に本を読むのをお勧めするよ!

 

中二病全開の登場人物たちがパンドラの箱を開いて、東京で普通に暮らしてる人々が巻き込まれるまでを描いた話です。

↓以下すごく大雑把な人物紹介とネタバレあらすじ

 

主人公:キク。生後間もなくコインロッカーに捨てられていた。足が速い。ダチュラなる生物兵器で東京をバイオハザード化させるのが夢。 

サブ主人公: ハシ。キクと同じく、赤子の時コインロッカーに捨てられていた。歌がめちゃくちゃうまい。ゲイで関西弁の成金おっさん(通称ミスターD)に拾われる。

ヒロイン:アネモネ。キクの彼女。排他的な美少女。

船舶訓練兵の皆さん:キクの超頼りになる友人たち(山根さん含む)。

 

特に面白い場面:

 タクシーの運転手が急にスイッチ入っちゃうシーン。乗客であるアネモネに一目惚れして、「昨日やりすぎたから君は疲れて裸で寝ている、そこに俺は卵の朝食を持ってくる」みたいな最高にキモい妄想を当然のようにアネモネに語り出す。

いつの間にか一人称が僕から俺になってて、お客さん呼びから君呼びになってるキモイ。さらになぜか頼んでもいないのにアネモネのために殺人まで犯してしまう。そこで初めてアネモネにあんたくさいのよって言われて振られる(笑)

最初に言ってあげて!

 

 

それから山根さん無双。ていうか船舶訓令兵選りすぐりのソルジャーばかりだろ。攻殻の9課みたいになってるし。メンバー濃いです。

 

ミスターDの関西弁こわい。村上龍の小説に出てくる関西弁の人ってヤクザとかスナッフフィルムで女性の足切って喜んでる老政治家とか、成金でゲイ趣味のおっさんとか癖のある人多すぎ。

 

 ダチュラ※はきっと、ラストは妄想の産物で終わるか結局見つからないか、最悪見つけても再度隠してキク(主人公)とアネモネ(ヒロイン)でどこか遠くの国で家族つくって幸せに暮らすのだろうな・・と思ってた。けどダチュラ見つけて東京に撒いたからびっくりした。

※(ダチュラというのは不特定多数の人間を超凶暴なキチ◯イに変えるバイオ兵器みたいなもんです)

 

私のイメージではよほどぶっ飛んでる小説でない限り、世界を一気に終末に変える代物は撒かないパターンの方が多い。

ので、この小説は撒くんだね・・。しかもラストは東京がバイオハザード化して終わりなんだよね。序章で終わった感あるなぁ・・でもバイオハザード化が目的だったから一応ハッピーエンドなのかな?

 

ハシはおいてきぼりでかわいそうだけどある意味自分の始まりの歌を見つけたから幸せだろうし、キクとアネモネはヘリで遠くの島に逃げて高みの見物だろう(あえて危険な東京に残るって選択肢もあるだろうけど)。

 

全編読み終えてちょっと意味がわからなかった箇所です↓

なんでキクの母親は赤ちゃんだったキクをロッカーに置き去りにするときおちんちんを吸ったんだろう?そしてなんでメンソールっぽい味がしたの?直前までタバコ吸ってたの?

 

ハシの舞踏病のブルース聴いてみたい。(これを聴いたら自分を解放しすぎてある意味狂うらしいです。)

 

【↓めっちゃ長いですが読み応えのある村上作品です。】

新装版 コインロッカー・ベイビーズ (講談社文庫)

新装版 コインロッカー・ベイビーズ (講談社文庫)

 

 

【↓性風俗の世界を描いたオムニバス小説。女性の足を切ってレ◯プする関西弁のおじいさんが出てくる話は”ペンライト”です。】

トパーズ (角川文庫)

トパーズ (角川文庫)

 

 【↓トパーズ2と書いてありますが、ペンライトに匹敵するグロテスクな話は無かったです。】

ラブ&ポップ―トパーズ〈2〉

ラブ&ポップ―トパーズ〈2〉

 

 

【↓村上龍さんといえば私の中ではコレ。わかりやすく強烈なエログロが読みたい方必読。(我孫子武丸さんの”殺戮に至る病”がさらっと読める人は大丈夫です。)】

イン ザ・ミソスープ (幻冬舎文庫)

イン ザ・ミソスープ (幻冬舎文庫)